鉄骨造ルート1-1 梁継手の保有耐力接合

あるとき、申請機関の質疑で、梁継手の保有耐力接合の検討がなされていないと指摘を受けました。


しかし、鉄骨造ルート1-1なので、梁継手の保有耐力接合は不要のはず…

「おかしいなぁ、いつのまにかルート1-1でも、梁継手の保有耐力接合を担保するように変わったのかな?」

そう思い、黄色本を読み返したり、ネットで検索してみたりしたが、どこにもそんなことは書いてない。


質疑なので、検討して追加資料を添付するなり、何かしら回答をしなくちゃならない。

回答するとしたら、下の内、どちらかになる。

・保有耐力接合の検討は不要なので、検討はしない。

・非保有耐力接合である。

(使用していた梁部材H-200x100の継手は保有耐力接合にはならないので)


でも、どちらを回答したとしても、申請機関の担当者は、納得しないだろう。

こんな些細なことで、何度も質疑回答のやり取りは、相手にも迷惑だし、私もやりたくない。

どうしたものかと、悩んだ末、申請機関の担当者に電話で確認してみることにした。


私  「保有耐力接合の検討が必要なのでしょうか?」

担当者「はい」

私  「保有耐力接合には、なっていなのですが、、、」

担当者「えっ、、、」


担当者の方が、しばらく沈黙していたので、


私  「継手の検定比は、とても小さいですし、かなり余裕があるので保有耐力接合を担保しなくても大丈夫だと、私は思いますが」

担当者「では、その旨を記載しておいてください」


心の中で「そっすか。。。いいのかな。。。」と思いつつ電話を切りました。


他の質疑も終わらせて、最終チェックで回答書を読み返してみて、改めて見ると変な質疑と回答だなと思いました。


なぜなら、もし本当に保有耐力接合が必要なら、非保有耐力接合になることは許されないことのはずなのに、設計者の判断でそこをOK~みたいにしているって絶対ダメだろうし、申請機関がそれを承諾するのも、おかしな話です。

完全に法令違反してるわけですから。


いろいろ考えず、

「計算ルート1-1で、梁継手の保有耐力接合は検討不要なので、検討はしておりません」

と回答すれば良かったのかも、回答書を添付したメールの送信ボタンを押しながら、ちょっと後悔しました。


ところで、なんで計算ルート1-1だけ、梁継手の保有耐力接合の担保が免除されてるんでしょうね?

どなたか、根拠をご存知ありませんか?


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