木造の通り符号 その1

木やるなら、そこんとこヨロシク! vol.1

 木造の通り符号 その1

わたしが木造の業界で、悩まされていることの1つに、「通り符号」の問題があります。


「通り符号」の振り方は、下のようにします。

基点を左下に取り、
左から右へ「X1、X2、X3、、、」
下から上へ「Y1、Y2、Y3、、、」

RC造やS造の構造屋さんは、わざわざ言われなくとも、ご存知ですよね。
構造屋さんに限らず、RC造やS造の業界では、関係者一同、全員の一般常識です。



ところが、木造の業界では、違います。
業界内では、2種類の「通り符号」の振り方が使われています。

1つは、ご存知の「通り符号」の振り方、

基点を左下に取り、
左から右へ「X1、X2、X3、、、」
下から上へ「Y1、Y2、Y3、、、」

もう1つは、以下のような「通り符号」の振り方です。

基点を右上に取り
右から左へ 「い、ろ、は、、、」
上から下へ 「一、二、三、、、」

やっかいなことに、木造の業界内の関係者の中で、「通り符号」がバラバラなのです。

設計側の人間も、人によって「通り符号」の振り方が違います。
施工側の人間も、人によって「通り符号」の振り方が違います。




わたしは、RC・Sの業界から、木造に来た口です。

はじめは、木造業界で「通り符号」がバラバラに扱われている事実に面食らいました。

しばらく木造の業界にいるうちに、「通り符号」がバラバラなのは、ちゃんと理由があるということに気づきました。

理由に気づいたと同時に、木造業界で「通り符号」を統一することは、恐らく現時点では難しいだろうという思いに至りました。




RC造やS造の構造屋さんは、木造の仕事をするときには、次のようなことに悩まされることとなります。

・案件ごとに通り符号に振り方が違う。そのため、案件ごとに、頭を切り替える。

・設計図の通り符号を、現場が使っているとは限らない。現場で「通り符号」を振りなおしているケースがある。そのような場合は、構造屋は、現場との意思疎通を計るため、設計図の「通り符号」を現場が使っている「通り符号」に読み替えて伝達しなければならない。



RC造の構造屋さん、S造の構造屋さんが、木造の業界で構造をやろうとすると、「通り符号」の問題で、煩わしい思いをすることになります。

根本的な解決にはならないですが、
なぜ木造の業界で「通り符号」がバラバラなのか、その理由を知っているか、知らないかでは、心の持ちようが変わってきます。



理由については、


では、また。

『木やるなら、そこんとこヨロシク!』シリーズは、
RC造や、S造の構造屋さんで、木造にも手を付けたいと考えている方に向けて書いてます。わたし自身、RC・S造から木造に手をつけた口です。木造の計算も、戸惑うことが多いのですが、その辺は、大丈夫です。なんとかなります。それよりも、木造の業界の体質の方が、悩ましいです。

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