木やるなら、そこんとこヨロシク! vol.2
木造の通り符号 その2
左から右へ「X1、X2、X3、、、」
下から上へ「Y1、Y2、Y3、、、」
意匠屋さんの立場から考えてみる(設計側の「通り符号」)
左から右へ「X1、X2、X3、、、」
下から上へ「Y1、Y2、Y3、、、」
左から右へ「X1、X2、X3、、、」
下から上へ「Y1、Y2、Y3、、、」
大工さんの立場から考えてみる(施工側の「通り符号」)
大工さんの使う「通り符号」は、日本語の書き順になっています。
本来の日本語の書き順は、新聞記事のように、上から下へ降りていき、段落は右から左へ移ります。
図面に描く「通り符号」は、起点を右上に取り、右から左へ、「い、ろ、は、、」、上から下へ、「一、二、三、、、 」になります。
元来、大工さんからしたら、これが「通り符号」です。
もう少し、大工さんが使う「通り符号」について、深く考えてみます。
RCやSに比べて、木造は、とにかく部材の数が多いです。
大工さんは、1日で全ての部材を組み上げ、棟上げしてしまいます。(すごいですね!)
時間勝負なので、棟梁は、棟上げの日には、助っ人の大工さんを呼んで、大人数で、作業します。
部材の数が多いうえ、作業する人も多い、そうなれば、いろいろ混乱が起こりそうです。
こっちに、刺すはずの柱が、誰かが間違って、あっちに刺してしまっていて行方不明に、、、「お~い、ここの柱が無いぞ、どこ行った?」なんてことが現場では起こりそうです。
こういったことにならないように、部材の1つ1つには「番付け」がされています。
「番付け」とは、部材である木材に、通り符号を書き込んで、印をつけることを言います。たとえば、い通りの5の柱には、「い五」と、いった風にです。
この印があれば、誰が見ても、部材の正確な配置が分かります。
番付があるので、部材の数が多くても、作業する人数が多くても、大工さん達は、混乱することなく、1日で組み上げることができます。
また、大工さん達の共通認識として、通り符号は「下り方向」に読むというのが、あります。「下り方向」とは、先に言ったように、起点は右上、右から左へ「い、ろ、は、、」上から下へ「一、二、三、、」のことを指します。
みんなが、同じ「下り方向」で、通り符号を認識しているからこそ、現場は混乱せずに済みます。
木造の「部材数が多い」という特徴は、建て方のときにデメリットになりますが、「番付け」することによって、大工さん達は問題解決しているわけです。
大工さん達にとっては、組み上げるための「通り符号」は、必要不可欠なものです。
設計者側にはない、施工側である大工さんの「通り符号」の使い道ですね。
余談になりますが、
ある大工さんに、聞いてみたことがあります。
「現場で使う符号と、設計図が違うと混乱しないのか?」
大工さんの手には、施工図であるプレカット図と設計図が握られています。
プレカット図は大工さんが使う「通り符号」になっています。
その大工さん曰く、
「もらった図面は、全部、書き替えているから、平気ですよ」
とのこと。
大工さんの手にある設計図は、鉛筆で符号が書き直されていました。
大工さんが使う「通り符号」は、親方から弟子へ、受け継がれています。
そのため、熟練になればなるほど、「通り符号」を変えることに、抵抗感を感じるのではないのかと、思います。
結局、木造の業界では「通り符号」がバラバラなのがデフォルト
設計者側には、設計者側の、本筋があり。
施工側には、施工側の、事情がある。
こちらを立てれば、こちらが立たず、です。
なので、当分は、木造の業界では「通り符号」がバラバラなのがデフォルトのままだと思います。
ですが、業界全体では、設計者側が使っている「通り符号」をデフォルトにする流れにあるようです。
大分、時間はかかるでしょうが、木造の業界でも「通り符号」は統一されるかも知れません。
〇おまけ〇
それに、現場で、柱に刻まれた番付が
「X1-Y5」と「い五」、どちらが、いけてるか?
わたしは、断然「い五」が、いけてると思います。
「日本の建築物、木造!」って感じがします。
建築にロマンを求めちゃいけないでしょうか?
次回は、木造の定尺について、説明します。
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