読む公式 断面係数(2)
前回の「読む公式 断面係数(1)」でも、言いましたが、
「断面係数」は、ただの道具です。ただの道具である「断面係数」に意味は、ありません。
重要なことは、「どのくらいの力で壊れるのかを知る」ことです。
また、壊れ方には種類があるとも言いました。下の4つです。
- 引張って、ちぎる。
- ぎゅうぎゅうに上から押して、つぶす。
- のこぎりでギコギコ、切る。
- 棒の両端を持って曲げて、折る。
その内の1つである「どのくらいの力で曲げれば、折れる(壊れる)のか」を知るための道具が「断面係数」になります。
「曲がる」を「圧縮・引張」に変換して考える
「断面係数」は、「どのくらいの力で曲げれば、壊れるのか」を知るための道具です。
では、「曲がる」とは、どういうことなのか?
前回、「曲がる」ということについて、深く考えてみましたよね?
大事なことなので、もう一度、「曲がる」ということについて、復習してみましょう!
「曲がる」というのは、ある直線のものが、曲線状に変形することです。
曲線状に変形させるには、どうしたらいいのか?
普通に考えれば、両端を持って曲げたり、おもりを載せたりします。
でも、それ以外に曲線に変形させる方法があります。
上端を押して(圧縮)、下端を引張れば(引張)、同じように、曲げ変形させることができます。
「曲がる」現象は、圧縮と引張で考えることができるというわけです。
そうすると、「どのくらいの力で曲がって、壊れるのか?」は、
「どのくらいの力で引っ張れば(押せば)、壊れるのか?」に、
置き換えて考えることが可能になります。
「曲がる」よりも、「圧縮・引張」で考えた方が、ずっとシンプルになります。
「断面係数」は、「曲げ」を検討するための道具ですが、直接「曲げ」にアプローチするのではなく、一旦「圧縮と引張」に変換してから、アプローチする手段をとっている道具です。
冒頭で、壊れ方には種類があると言いました。下の4つです。
- 引張って、ちぎる。
- ぎゅうぎゅうに上から押して、つぶす。
- のこぎりでギコギコ、切る。
- 棒の両端を持って曲げて、折る。
その内の1つである「どのくらいの力で曲げれば、折れる(壊れる)のか」を知るための道具が「断面係数」になります。
「断面係数」は、「曲げ」を検討するための道具ですが、直接「曲げ」にアプローチするのではなく、一旦「圧縮と引張」に変換してから、アプローチする手段をとっている道具です。
そのため、4つの壊れ方の種類の内、「ちぎる(引張)」と「つぶす(圧縮)」を考える必要があります。
- 引張って、ちぎる。
- ぎゅうぎゅうに上から押して、つぶす。
- のこぎりでギコギコ、切る。
棒の両端を持って曲げて、折る。
「どのくらいの力」を「どのくらいの変形」に変換して考える
「曲がる」現象は、圧縮と引張に変換して考えることができると言いました。
でも、待ってください。
曲げられた曲線を、 「圧縮と引張」で再現するとき、「どのくらいの力」を加えれば、同じ曲線を再現できるのでしょうか?
「力」というのは、目にすることができません。
身体を誰かに押されるとか、引張られるとかすると、「力」を感じることができます。
強い力で押されるとか、そっと押されるとかの、「力」の強弱も感じることができます。
自分自身が「力」を受けるなら感じることができます。
ですが、物体が「力」を受けている場合になると感じることはできません、当然の話です。
だったら、物体が「力」を受けている場合は、どのようにすれば「力」を感じることができるのでしょうか?
答えは、簡単です。
「力」を加えれば、物体は必ず「変形」する。
この事実を知っていれば、「力」を感じることができます。
感じるだけじゃなくて、「どのくらいの力」なのかを「変形」から、知ることもできるようになります。
「ある棒」があるとします。
その「ある棒」に、「おもり」をぶら下げるとします。
「ある棒」は、変形(伸び)します。
「ある棒」が伸びる、この伸びたときの長さを計って、メモしておいたとします。
ここまでのことを、忘れてください。
「ある棒」のことも、「おもり」のこともです。
でも、あなたの手元には、「伸びた時の長さ」をメモした紙が残っています。
さて、問題です。
「ある棒」があります。
「ある棒」に「おもり」をぶら下げました。
「おもり」は、どのくらいでしょうか?
ヒントとして、「伸びた時の長さ」を図示します。
あなたは、「伸びた時の長さ」のメモを持っています。
そのメモの「伸びた時の長さ」と、ヒントである「伸びた時の長さ」が同じです。
だったら、問題の「おもりはどれくらいでしょう?」の正解は分かりますよね?
「力」を加えれば、物体は必ず「変形」する。
この事実を知っていれば、「力」を感じることができます。
感じるだけじゃなくて、「どのくらいの力」なのかを「変形」から、知ることもできるようになります。
さて、冒頭の話に戻りましょう。
曲げられた曲線と、 「圧縮と引張」で再現するとき、「どのくらいの力」を加えれば、同じ曲線を再現できるのでしょうか?
これについての、答えが、おぼろげながら、推測できませんか?
先ほど、「力」について考えてみました。
- 「力」を加えれば、物体は必ず「変形」する。
- 「どのくらいの力」なのかは、「変形」から知ることができる。
だったら、下の図の「短くなった部分」と「長くなった部分」に着目すれば、曲げられた曲線を「圧縮と引張」で再現するとき、「どのくらいの力」を加えれば、同じ曲線を再現できるのか、推測できそうじゃありませんか?
なんか、 「曲がる」曲線を「圧縮・引張」で再現できそうな気がする。
そんな気がしてきたでしょうか?
この「できそうな気がする」が、大事なんです。
とりあえず、目的を達成できそうな道があるので、その方向で考えてみる。
構造の勉強するには、このくらいの軽い気持ちが、ちょうどいいです。
正解じゃなくても、正解に近いかなぁ、ぐらいが構造を理解するには、早道だったりします。
今回は、ここまです。
次回の「読む公式 断面係数(3)」は、今回考えたことをさらに深堀りしていきます。
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