読む公式 断面係数(1)
そもそも論として、「断面係数」って、何なんでしょうね?
答えは、「断面係数」とは、ツール、つまり道具です。
では、何に使う道具なんでしょうか?
答えは、どのくらいの力で壊れるのかを知ることのために使う道具です。
繰り返しますが、
「断面係数」は、どのくらいの力で壊れるのかを知るための、道具でしかありません。
道具は、道具でしかありません。道具は便利に使いこなせるのかどうかだけの問題です。
誤解を恐れずに言えば「断面係数」を知る必要などないと、個人的には思います。
重要なのは、どのくらいの力で壊れるのかを、どうやったら知ることができるのか?、ということです。
壊れるって、何でしょう?
建物の梁や柱が壊れたら、困りますよね?
だから、建築士が設計をする必要があります。
でも待ってください、壊れるって、何でしょう?
壊れるって、具体的には、どんな状態を指すんでしょうか?
引張って、ちぎる。
ぎゅうぎゅうに上から押して、つぶす。
のこぎりでギコギコ、切る。
棒の両端を持って曲げて、折る。
これ、全部、壊してますよね?
建物を設計するときには、それぞれの壊れ方に対して、それぞれの検討が必要になります。
どれか1つだけ検討してOKとは、いきません。全部、検討しなくちゃいけません。
壊れ方には、種類があるわけです。
「断面係数」は、「曲がって、折れる」壊し方をするときに、使う道具です。
冒頭でも言いましたが、「断面係数」は、ただの道具です。
重要なのは、どのくらいの力で壊れるのかを、どうやったら知ることができるのか?、ということです。
また、壊し方には種類があり、「断面係数」は、「曲がって、折れる」ときに使います。
なので、どのくらいの力で「曲げて」壊れるのかを、どうやったら知ることができるのか?について、考えていきましょう!
どのくらいの力で「曲げて」壊れるのか?
「曲がるって、どういうことなのか?」、真剣に考えてみたことがありますか?
「曲がる」は「曲がる」でしょうよ。真っ直ぐの棒が曲線状になることでしょう?
そうです、直線が曲線に変形するのが「曲がる」ってことですよね。
でも、もっと深く考えていかないと、構造設計ができないんです。
だから、もっと深く「曲がるって、どういうことなのか?」について、考えてみましょう!
ある長さの棒があったとします。
棒はまっすぐです。それを曲げてみます。
そうすると、棒は、直線から曲線に変形します。
これについて、深く、考えてみましょう。
棒は、線ではありません、立体です。
立体なので、上端と下端があります。
よく見てみると、上端は短くなって、下場は長くなっています。
さぁ、頭の体操です。
ある棒を、「曲げず」に、直線から曲線に変形させるには、どうしたらいいでしょうか?
「曲げず」にというのは、棒の両端を持って曲げたり、棒の上におもりを置いたりしないという意味です。
・・・・・。
答え:上端を押して、下端を引っ張る。
普通に、棒の両端を持って、直線から曲線に変形させたときに、上端が短くなって、下端が長くなった。
その現象だけに、着目する。
「曲げず」に、同じ曲線を再現したいのなら、「上端が短くなって、下端が長くなる」現象を別の方法で起こさせればいいわけです。
上端を短くするには、どうすればいいのか?
押せば、短くなる(圧縮)
下端を長くするには、どうすればいいのか?
引張れば、長くなる(引張)
「曲がるって、どういうことなのか?」
「曲がる」って、ある直線のものが、曲線状に変形することです。
曲線状に変形させるには、どうしたらいいのか?
普通に考えれば、両端を持って曲げたり、おもりを載せたりします。
でも、それ以外に曲線に変形させる方法があります。
上端を押して(圧縮)、下端を引張れば(引張)、同じように、曲げ変形させることができます。
「曲がる」現象は、圧縮と引張で考えることが、できるというわけです。
そうすると、「どのくらいの力で曲がって、壊れるのか?」は、
「どのくらいの力で引っ張れば(押せば)、壊れるのか?」に、
置き換えて考えることが可能になります。
「曲がる」よりも、「圧縮・引張」で考えた方が、ずっとシンプルになります。
「断面係数」は、「曲げ」を検討するための道具ですが、直接「曲げ」にアプローチするのではなく、一旦「圧縮と引張」に変換してから、アプローチする手段をとっている道具です。
次回の「読む公式 断面係数(2)」で、その辺のところを掘り下げて考えてみましょう!
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