オールアンカー

鉄骨階段の露出柱脚のアンカーボルトをオールアンカーに変更したいという相談がきた。

オールアンカーとは、金属系のあと施工アンカーのことだ。




まぁ、先埋め込みアンカーは、精度が悪ければ台直しが必要になったりする欠点がある。
あと施工アンカーは、そういう心配がいらないし、接着系より手軽な金属系を、現場が使いたがる気持ちは分からなくもない。



個人的には、普通に先埋め込みアンカーボルトを使って欲しい、それが駄目なら接着系のあと施工アンカーがベターなんだけど、、、。



ただ、2階に行くだけのササラのアンカーだし、そんなに、こだわる必要性もない。引張は生じないし。


しかし、やるのはいいけど、変更したら、金属系あと施工アンカーの検討書の作成しなくちゃいけないなぁ~と思いつつ



「はい、変更しても良いですが、行政によっては、新築のあと施工アンカーは認めてないところもあるので、確認されてみたほうがいいと思いますよ」

とだけ回答しておいた。


もともと、新築では、あと施工アンカーはNGだ。
何年か前に、それが法改正でOKに変わった。
使い方は、限定されているようだが。


なので、恐らく行政側がまだ対応できていないから、あと施工アンカーの使用は認めないだろうなぁと思っていた。


その後、連絡が来て、案の定、行政側の許可が出なかったので、諦めますと連絡がきた。




個人的には、金属系アンカー使ってもいいんじゃないかなと思ったが、行政判断なので仕方ない。


でも、もし4本足の自立型の階段で、同じようにオールアンカーにしたいと相談されたら、わたしは、変更はできないと答えると思う。


物によっては、オールアンカー行けるけど、行けないこともある。
この区別は、構造屋さんにしか判断できない。

一度、オールアンカーで良いとしてしまえば、現場が勝手に、オールアンカーにしては駄目なところもやってしまう可能性が出てきてしまう。



ならば、新築にあと施工アンカーを認めないというのは、考えて見れば、それはそれで正解なのかも知れない。



計算上でより安全と判断したものが、必ずしも現場でその通りになるとは限らない。


精度が悪い先埋め込みアンカーを思いっきり叩いて台直しした場合と、金属系をしっかりと施工した場合、どちらがいいのか?



計算上は耐力が低くても、安定した施工を望む事ができるのであれば、むしろそちらのほうが、より安全と言えるかもしれない。


一番いいのは、計算上でも良くて、しっかりとした施工が行われるのが、理想です。


ですが、不確定要素は、なくならないもんです。




構造計算で耐震、耐震って、言われてますけど、計算よりも前に、こういう不確定要素をほったらかしにしてる方が問題な気がします。




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